15/08/29 (土) 01:39:53 |
☆ 続きませんように、続きますように ☆
今年のモータースポーツ界は悲しいニュースが多いな。
ジュール・ビアンキの訃報も残念だったけれど、今度はIndyでまた死亡事故が起きてしまった。
23日決勝が行われたソノマでのレース終盤、セージ・カラムの単独クラッシュにより飛び散ったボディワークが、後続のジャスティ
ン・ウィルソンの頭部を直撃してしまい、意識を失ったまま病院に搬送されたが翌日に帰らぬ人となってしまった。
エスケープゾーンがなくコンクリートフェンスに囲まれたコースで行われるオーバルトラックでのレースでは、クラッシュしたマシン
や、破損したマシンのパーツが自ずとコース上に散らばることになり、後続車がそれを全て回避する事はほぼ不可能だ。
ジャスティンの事故も前を走るマシンの死角から、突然目の前にノーズコーンが現れた状態だったように見えた。
パーツが転がってくるのが見えていれば、いくらか避ける方法はあっただろうが、気付いた瞬間に直撃を食らってしまってはどうしよ
うもない。
カーボンでできたノーズコーンは3〜4キロの重さだと言われている。多少減速していたとしても時速200kmオーバーでぶつかれ
ば、その衝撃はヘルメットくらいではとてもじゃないが防ぎきれない。
ジャスティンを直撃したノーズコーンは、その後10m以上空中に舞い上がっていた…。
ネットにおいて、よくF1の方が安全対策が進んでいてインディカーが遅れているかのような誤解をしている発言を見かけるが、決し
てそんなことはない。今やF1だけでなく、他のカテゴリーでも当たり前にみかけるようになったハンスデバイスも、元はインディカ
ー・シリーズで最初に使用され始め、そこからF1に波及していったものだ。
オーバルトラックでのレースがあるインディカーは、F1より遥かに高いスピードで争われる(F1での最高速は、オーバルトラック
レースでの1周の平均スピードよりずっと遅い)のだから、安全性が劣るなんてことはありえないし、安全のための新しい試みにも、
積極的に取り組んでいる。
それでも事故は起きる。ひとたび起きれば、スピードが高い分だけドライバーへのダメージも大きい。
ただ、今回の事故に関しては、ジュールの事故と同じように悪い偶然が重なったというか不運だったと思う。あとタイヤ1本分走行ラ
インがずれていればどうってことなかったのだ。
数々のドライバーを事故で失い、その度に悲しい思いをし、それでもモータースポーツが続いていってほしいと願うのは、ずいぶんと
虫のいい考えなのかもしれない。今までも何度もその存在意義について考えさせられてきた。
けれど、やっぱりモータースポーツが好きだから、彼らの意思を受け継ぐ者達の戦いを、これからも見続けていきたいと思う。
もうこれ以上悲しい事故が続きませんように。そしてこれからもモータスポーツが永く続いていきますように。
そう願いながら…。