つぶあんモノローグ
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11/03/25 (金) 22:20:54

☆ F1開幕です ☆

本来開幕戦になるはずだったバーレーンGPが中止になったことで、開幕戦となったF1オーストラリアGPが始まった。
今年の注目はなんといっても昨年まで長年供給をしていたブリヂストンの撤退により、今年からピレリが供給することになったタイヤ。

市販車ではタイヤの銘柄を変えても、ちょっと乗り心地が良くなった、音が静かになったとか、その程度の違いでしかないが、F1に
とってタイヤの変更というのは、マシンのデザインそのものを根本的に見直すくらいの影響力がある。
つまり、F1マシンはタイヤの能力を最大限に発揮するように設計する必要があるため、タイヤが変わると全てが変わってしまうのだ。
タイヤの外形の変化による空力への影響、タイヤの前後のバランスを考慮した重量配分(これは今年のレギュレーションでは各車同じ
だが)、あるいはサスペンションのジオメトリー…等々、あげればキリが無いほど。

しかし今年に限っては、昨秋にピレリのタイヤが完成した時点では、既にどのチームも今年のマシンの基本デザインは終わっていた。
もちろんその後のテストでモディファイは加えてきているわけだが、どれだけピレリを生かすマシンに仕上がっているかというのは、
実際にレースがスタートしてみないとわからない。
特に今年のピレリはタイヤのデグラデーション(グリップ力の低下)が大きいと言われており、1周のタイムも重要だが、それ以上に
周回を重ねたときにタイムの落ちをいかに少なくするかが、オフシーズン・テストでの各チームの最大の課題だった。

今日行われた初日のプラクティスでは、1回目は雨上がりの路面、2回目も途中で雨がぱらつき、気温が低く路面のグリップも上がっ
ていなかったこともあって、さほどタイヤの問題は出ていなかったようだった。

タイヤ以外で、今年の注目ポイントは、DRSと呼ばれることになる可動リアウイング。レース中の追い越しをしやすくするため、フ
ラップを50ミリ動かすことができるようになった。決勝では、限られた条件でしか使用できないが、プラクティスでは自由に使える
ため、各車ともパタパタ(?)動かしながら走行していた。ざっくり言ってしまうと、直線ではフラップを寝かせて空気抵抗を減らす
ことで直線スピードを上げ、ブレーキング時にはフラップを立てて、本来のダウンフォースを得るという仕組みだ。

ただ、ハイドロ(油圧)で動かしているチームが多いとのことで、もしマシントラブルでハイドロが落ちた場合に、フラップが上がっ
たままコーナーに進入することになったら恐いなぁと、ちょっと心配している。


初日を観ただけではまだまだ各チームの実力ははっきりしないが、レッドブル、フェラーリ、マクラーレンは順当にトップグループを
形成しそうだ。マクラーレンは仕上がりが遅く、ドライバーも開幕前は悲観的なコメントが多かったのだが、悪くはなさそうだった。

それらのチームに続くのはメルセデスになりそうだ。今年はトップグループをかき回してくれるかもしれない。ミハエルも(彼はいつ
もだが…)手応えを感じているコメントをしている。

これら4チーム8台の後ろでQ3進出を争うことになりそうなのは、思い切ったマシンを作ってきたウイリアムズのバリチェロ、そし
てザウバーの可夢偉と、ロータス・ルノーの2台か? ルノーはクビサが乗っていればトップグループに食い込んでくるかもと期待し
ていたのだが、クビサはまだやっと歩けるようになったところで、復帰の見通しは立っていない…。だが、レースになればハイドフェ
ルドはしぶとく結果を残してくるだろうとは思う。


各チームのマシンや、ドライバーのヘルメットには、日本への応援メッセージが多く見られた。可夢偉のザウバーにはもちろん大きく
描かれていたが、フェラーリもフロントウイングのステーに大きくメッセージが描かれていて、かなり目立っていたし、トゥルーリは、
日の丸をモチーフにしたスペシャル・ペイントのヘルメットを被っていた。

F1界の全員が、今回の震災に心を痛め、日本を支援しようとしてくれていることがとても嬉しかった。
F1は走る広告塔と呼ばれる。もしフェラーリのウイングステーにあの面積でスポンサー名を入れようと思ったら、数十億のスポンサ
ー料はとられるだろう。ドライバーのヘルメットにステッカーを1つ貼るだけでも、下手すりゃ億単位になる。
そこを使ってメッセージを送ってくれることが、どれだけ凄いことか。

彼らが秋に鈴鹿にやって来る頃、日本が震災のダメージからどれだけ復興できているかわからないが、今回の彼らの支援に対して、感
謝の気持ちを込めて精一杯応援したいと思う。


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