つぶあんモノローグ
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14/10/07 (火) 23:36:11

☆ 鈴鹿の嵐 ☆

昨年までは、体育の日で月曜日が祭日となる10月第2週に開催されていた日本GP。しかし今年は一週間早まって10月第1週にず
れたため、それが災いしたのかどうか台風18号が接近してくる中での胸騒ぎの週末となった。

金曜日。

FP1をB2席で観戦。今年のマシンで一番気になっていたのは、静かになったといわれていたエキゾーストノートがどの程度のもの
なのかだった。結論から言うと、静かで迫力不足。小さくなった排気量とターボによる消音効果により、低く野太い音になり、昨年ま
での青空に突き抜けていくようなサウンドとは比較にならない。音のスピード感が無いのでマシンが遅く見えてしまう。
今年のマシンはドラッグが減った(=ダウンフォースが減った)ためストレートエンドのスピードが上がっているのだが、音質のせい
で速く見えないのだ。1コーナー手前で320kmも出てるなんて、気づかなかったよ…

その代わりに、エンジン音以外のタイヤのスキール音なんかが聞こえるけれど、正直つまらない。
時代の趨勢といえばそれまでだけれど、個人的にはNAに戻してほしい。

お昼は逆バンクオアシスで肉巻きおにぎりを頬張り、FP2はD席へ。

直前で可夢偉の参戦が決まり、可夢偉応援席が「可夢偉と一緒に応援する席」にはならずにすんだものの、日本GPに向けて用意され
たエアロパーツが直前に差し押さえされたケーターハム。1セットだけ用意された新型のフロントウイングは、エリクソンのみが使用。
可夢偉はFP1のシートをメルヒに譲り、FP2から登場してきたものの、アタックに入る前にマシントラブルによりS字1つ目でク
ラッシュを喫し、ますますエアロパッケージがバージョンダウンする羽目となった。

可夢偉のクラッシュはS字1つ目。ということは可夢偉応援席の真ん前。おいらも見ていたけれど、ウェット路面でもあんなスピード
じゃスピンなんかしない。ケーターハムのマシンがどんなレベルか思い知らされる光景だった。可夢偉応援席から悲鳴とため息が聞こ
えてきた気がしたのは、マシンの走行音が静かだからかもしれない。


土曜日。

ベッテルが今シーズン限りでレッドブルを離れることが発表された土曜日。
日本GP前は、アロンソのフェラーリ離脱の話題で持ちきりだったのに、いきなりベッテル離脱が発表されるとは意外だった。
当然ベッテルの行き先は跳ね馬だろうと言われているが、その場合跳ね馬を離れるのは普通に考えればアロンソ。
だがそれがすぐにマクラーレン・ホンダ入りにつながるのかどうかは、おいらは五分五分だと思っている。
来季のマクラーレン・ホンダの戦闘力はまだ未知数であり、今年のマクラーレンの低迷(最強のメルセデスのPUを使用しているのに、
結果が出せていない)を合わせて考えれば、フェラーリより優位に立てるとは考えにくい。
移籍するなら来シーズンの結果を見て、2016シーズンだろう。
アロンソはメルセデス入りを狙っているとの噂もある。だが、もしメルセデスのシートに空きができるのであれば、ベッテルもフェラ
ーリではなく、メルセデスに行きたいだろう。しかもベッテルはドイツ人ドライバーなのだから、メルセデスとしても良い選択だと思
われる。
なぜ、レッドブルがこのタイミングでベッテルの離脱を発表したのか? しかも来季ドライバーは、リカルドとクビアトになることも
決定している。ということはベッテルの離脱がかなり早い段階で決まっていたということだ。もしベッテルがフェラーリ入りするので
あれば、フェラーリ側がイタリアGPあたりで発表していてもおかしくはないのだが…

来季のドライバーラインナップは、正式発表を待たないと、まだまだ意外な事が起こるかもしれないと思う。

土曜日から指定席なのでB2席で観戦していたが、カメラのファインダーの中でハミルトンのマシンが縁石をオーバーラン。
(あぁ突っ込み過ぎだな)と思っていたらそのままタイヤバリヤまで飛んできてズドン…。
このFP3ではストレートが追い風になっていたため、オーバーランしてターマックにはみ出すマシンがけっこういたのだが、まさか
ハミルトンがターマック、グラベルを超えてクラッシュするとは意外だった。
この時点では、ロズベルグが優位に立ったなと思われた。

そして午後の予選では、ロズベルグがポールを獲得。鈴鹿では速いのではないかと思われていたレッドブルが意外に不振。
しかしレッドブル勢は決勝をウェットレースと確信してのセッティングだったようで、どうりで遅かった。

日曜日。

予報どおり朝からの雨。そのため佐藤琢磨、ナイジェル・マンセルによるレジェンドF1のデモランも中止。
ドライバーズ・パレードは行われたものの傘をさしてるドライバー達が多くて、よく見えない…。
とりあえず全員に手は振っておいた。

午後2時半。各マシンがレコノサンスラップを開始。けっこうな雨量。この週末ウェットで走るのがこの時が初となるため、各チーム
とも入念にラップを繰り返す。コーナーの立ち上がりでけっこう滑ってる。水しぶきも多い。

午後3時のSCスタートの頃が一番雨が強かった。S字のイン側に水たまりができている。
そして2週で赤旗中断。しかし各マシンがピットに入った頃から雨が弱くなってきた。

25分に再スタート。と思ったらアロンソがいきなりストップ。
数周のSCランを行って、ようやくスタートした。

レースの中盤を過ぎるまでは、雨はずっと小降りだった。したがって路面状況はスタート時より改善していく方向。
予想通りメルセデスの2台がぶっちぎり。レッドブル勢も元気を取り戻してる。
逃げるロズベルグ、追うハミルトン。DRSを利用してロズベルグに仕掛けるハミルトン。1度目は失敗。だが2度目はアウト側から
捕らえた。

レース後半に入る頃から再び雨脚が強まってきた。それに加えて日没に近づいていき、コースがかなり暗くなってきた。
おいらは雨の量よりも、暗さのほうが心配になったほど。
いままで鈴鹿のF1でこんな暗い中を走行しているシーンは見たことが無い。ウェットレースは過去にもあったが、昔は13時スタ
ートだったし。
鈴鹿8耐みたいに、そろそろライトオンのサインを出したほうがいいんじゃないか?と思っていたら、ダンロップでのスーティルのコ
ースアウトによりSC導入。こりゃリスタートは厳しいなと思っていたら、やっぱり赤旗になった。
だが、赤旗の理由は、ビアンキのシリアスなクラッシュによるものだった…。この時点では、ビアンキがどれほど深刻な状況なのかは
わかっていなかった。
そしてレースは終了。

なんとなく歯切れの悪い幕切れ。

帰りの電車の中で、ビアンキの状況が判明してくるに従い、なんとも言えない苦い気分になった。


2日経った今も、ビアンキについて明るい情報はもたらされていない。フランスから駆けつけた父親が、危篤だと語ったとの報道もあ
る。クラッシュシーンは、観客が撮影したビデオで確認したが、コースアウトした位置があと30cmもずれていればローダーに真正
面から直撃して即死していてもおかしくない状況だった。
状況は異なるけれど、大治郎の事故を思い出してしまい、とても辛い。

ビアンキは近い将来のフェラーリ入りが期待されていた有望なドライバーだ。可夢偉ファンにとっては苦い思い出かもしれないが、
今年のモナコで可夢偉を押しのけて(?)マルシャに待望のポイントをもたらしたことでもわかるとおり、速さには定評がある。

シューマッハも絶望的な状況から、今リハビリの途上だが、若いビアンキならきっと戻ってきてくれると信じたい。
ドライバーとしての復帰は無理でも、またサーキットに元気な姿を現してくれることを心から祈っている。


来年の日本GPはさらにスケジュールが早まり、9月27日が予定されている。
それならいっそ、もう一週間早めてくれれば、土曜日から5連休なのに…。
とか言いながら、来年も鈴鹿に行くんだろうな。
その時、鈴鹿のスタンドに「おかえりなさい、ビアンキ!」の横断幕が掲げられたら最高だ!


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