12/10/08 (月) 00:37:05 |
☆ 通過点 ☆
やはりレッドブルの1−2はなかったね。でも、マッサの2位は想定外だった。本当ならあのポジションに可夢偉がいるべきだった。
可夢偉にとっては初の、そして日本人ドライバーとしては8年ぶり、鈴鹿では22年ぶりの表彰台獲得は素晴らしい結果だった。
それでも、2位になれたはずと考えてしまうのは、贅沢なのだろうか。
バトン、可夢偉が相次いで1回目のピットストップに向かう頃、マッサはぐんぐんとペースを上げていた。
可夢偉がリカルドを抜くのに手間取っていたこともあって、マッサは易々とアンダーカットを成功させることができた。
その後のマッサ、可夢偉、バトンのレースペースを考えるとマッサの2位は順当なのだが、抜けない鈴鹿だけに例えマッサのレースペ
ースが上だったとしても、可夢偉が前にいれば押さえることができた可能性もあったわけで、その意味では1回目のピットストップの
タイミングは失敗だったかもしれない。あと数周引っ張っていれば、リカルドの前に出られていただろうから。
終盤、バトンの猛追を受けたが、可夢偉は落ち着いてペースを合わせて押さえきった。実際にはかなり苦しいドライビングになってい
たのはマシンの挙動に出ていたが、ミスをしないできっちりと3位を守り切ったのはさすがだった。
鈴鹿がこれほど盛り上がったのは、琢磨がジョーダンで5位入賞した時以来じゃないだろうか。
いつもならチェッカーの瞬間から帰りを急ぐ観客が多いのだが、フィニッシュした可夢偉に観客全員がスタンディング・オベーション
を贈り、表彰式が終わるまでほとんどの観客が席を離れなかった。
決勝のスタート前、可夢偉が表彰台に乗ったら、どんな気分になるんだろう?と想像していた。実際に3位フィニッシュが決まってみ
ると、確かに嬉しかったけれど、想像したほどの感激は無かった。
それは可夢偉のポテンシャルは、まだまだこんなもんじゃ無いと思っているから。3位くらい普通にレースできればもっと早くに取れ
ていたはずだし、もっと上だって狙えるはずだから。
おいらが観たいのは、日本人初優勝だ。そしてそれは極めて現実的な目標だ。もし、今日可夢偉が優勝していたら、きっと涙が出たん
じゃないかと思う。
ただ、そこへたどり着くまでの道程で、今日が重要な通過点だったことは間違いない。
今日、その場面に立ち会えたことは、心から嬉しかった。
亜久里の時は、鈴鹿にいなかったからねぇ…。