12/10/07 (日) 00:41:37 |
☆ 決戦前夜 ☆
引退を表明したシューマッハの日本でのラストレース、そして日本GPでの日本人最上位グリッドとなる3番手からのスタートとなる
可夢偉の表彰台を賭けた戦いが、いよいよあと15時間後に迫った。
金曜日、土曜日と好天に恵まれた鈴鹿だが、今夜は雨が降っている。雨は明け方までには止んで、決勝は完全なドライコンディション
でのレースになるはずだが、この雨が路面コンディションを変えてしまうと、明日の戦いに影響を及ぼすかもしれない…
シンガポールでは散々な結果だった可夢偉だが、ザウバーは鈴鹿では速いはずという事前の予想ほどには、金曜日のプラクティスでの
調子は良いとは思えなかった。東コースでの走行を観ていると、マシンがナーバスな感じで、決まっているという動きではなかった。
可夢偉とはドライブスタイルが違うとは言え、車載カメラ映像でのペレスのS字でのハンドリングなんて、あきれるくらいに忙しくて
ハミルトンなんかと較べると可哀想なほどだった。
ロングランでのタイムはそれほど悪くなかったようだったが、鈴鹿で重要となる予選ポジションに影響する一発の速さが出ていなかっ
たため、Q3に行ければ上出来くらいの仕上がりだったように思う。
しかし予選日を迎えて、今日のプラクティスでは速さを取り戻していた。特にセクター1では、常に可夢偉がトップタイムをマークす
る速さを見せ、予選に期待を繋いだ。マシンの挙動を観ていても、明らかに落ち着いていた。
同じマシンを走らせるペレスは、どちらかというと振り回してねじ伏せていくタイプだが、可夢偉は大人の走りで、無駄な挙動を押さ
えてスムーズにライントレースするため、見た目の派手さは無いのに速い。その対比が、マクラーレン時代のセナプロみたいで、なか
なか興味深かった。
そして迎えた予選。レッドブルの2台が突出した速さだったため、さすがにポールポジションは無理だったが、ライコネンのスピンに
よるDRSとKERSの自主規制(?)で、セクター2で自己ベストを出さずに4位という結果は望みうる最高の結果だった。
5位のグロージャンはセクター2で自己ベストを出していながらお咎め無しっていうのが解せなかったが…。
バトンの5グリッドダウンにより、明日は3番グリッドからのスタート。グリップの良いアウト側なので、無難なスタートさえできれ
ば順位を落とすことはないはずだが、気になるのは後にいるグロージャンとペレス。空気の読めない二人が好スタートをすると、ちょ
っとややこしくなるかもしれない。
グロージャンロケットは、炸裂するなら可夢偉ではなくレッドブルに照準を向けて欲しいものだ。
決勝の予想は、予選の速さを考えればレッドブルの1−2が順当なのだろうが、そうはならない気がしている。
決して楽観的な予想ではなく、可夢偉優勝は「あり」だ。
一昨年のヘアピンで見せたオーバーテイクのような驚きを、今年は別のポイントで見せてくれるのではないかと思っている。
一部では、シューマッハだけでなく可夢偉も日本でのラストレースになるとの報道が出ている。
だとすればなおさら、この一戦で悔いの無い渾身の走りをしてもらいたい。
結果がどうなろうと、チェッカー後のシューマッハと可夢偉には惜しみない拍手を贈るつもりだ。