つぶあんモノローグ
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12/05/01 (火) 17:37:22

☆ 関越道でのバス事故について ☆

やっと今日になって、読売新聞が、防音壁とガードレールの設置の問題点について指摘した記事をUPしたようだ。

今回の事故は、本当に悲惨で残念な出来事だが、7人もの死者を出してしまったのは、明らかに道路構造の欠陥のせいだ。
もちろん事故を起こしたこと自体の責任は、運転手本人とツアー会社、バス会社にあることは間違いない。
シートベルトが壊れていたために着用せず、それが重傷につながったと証言するお客さんもいたようで、安全に対する配慮が欠けてい
たことの一端を如実に示していると思う。

しかし、運転手やバス会社、ツアー会社を社会の敵であるかのようにいくらバッシングしたところで、こうした事故の再発を防ぐこと
はできない。減らせるかもしれないがゼロにはできない。運転手が二人いたところで、運転しているのは一人だ。そいつが居眠りした
ら同じ事。運転手が突然心臓発作で意識を失うケースだってある。
マスコミの報道には、事故は起きるものと考えて、起きたときでもその被害を最小限にする対策を考えるという観点がまったく無い。

今回の事故の場合は、起きた場所が最悪だったと言える。あと10m手前か、10m先だったなら、ここまでの死者を出さずに済んだ
だろうと思える。

高速道路において防音壁の開始地点に、走行車両が正面から衝突するような道路構造などあってはならない。

いくつかの番組において、宮根誠司が盛んに「猛スピードで…」と繰り返していたが、バスのスピードは90km程度。高速道路なの
だから当たり前の速度でしかない。こうしたシリアスな事故の報道でも、芸能ニュースを扱う感覚で、誇大表現に終始する宮根誠司の
頭の悪さは、まぁどうでも良いのだが、その程度のスピードでの事故があれだけの破壊力を持ってしまったのは、防音壁の開始地点と
いう点(というか線)に衝撃が全て集中してしまったからだ。
10m先であれば、防音壁の面に浅い角度で当たっているわけで、防音壁が車内を貫通する事故にはならなかった。

であれば、その開始地点に走行車両が衝突しなくて済むように設計すれば良いだけのこと。防音壁の手前にガードレールを配置するな
り、防音壁の開始地点をもっと手前にして、斜めに絞るようにしておくなりすれば良かっただけのことだ。

今回の事故は、たまたまバスの運転手の過失で起きたが、そうじゃなくても同じ状況は起こりうる。例えばバスの前走車が居眠りして
中央分離帯にぶつかって走行車線に跳ね返ってきたらどうなるか?
ブレーキは踏むかもしれないが、避けようと左に回避して側壁へぶつかるというケースは容易に考えられる。
そこに今回のような防音壁の端が剥き出しになっていたら、結果は同じ事だ。

バスの構造が軽量化のために云々という話も出ていたが、構造的に今回の事故を防ごうとしたら、装甲車みたいに車体を鉄板で覆い尽
くさなければ無理だろう。もちろん窓も含めてね。非現実的な話だ。
車両に付いて考えるなら、スバルのアイサイトのような衝突回避装置であったり、トラックには装備されている居眠り警告装置なり、
そういった装備を義務づける方が現実的だろう。

しかし、それでも事故は起きる。サーキットのように、広いグラベルエリアを設けることは無理だとしても、車両へのダメージがより
少なくなるような、道路構造に変えていくことは道路管理者の責任だろう。高い料金をふんだくってるんだから。

もしおいらが、今回のような事故の遺族だったら、バス会社やツアー会社だけではなく、道路管理者の責任も間違いなく追及するだろ
う。あのような危険な構造物を放置していたのは、想像力の欠如による怠慢でしかない。

運転手が二人だったらとか、勤務が過酷だったとか、そんな話に終始しているマスコミにはうんざりだが、どうせ次の事件、事故が起
きるまでの時間つなぎで報道しているだけなので、仕方ないのかな。あれだけ大騒ぎしていた京都の事故の話がすでに忘れ去られてい
るくらいだから…。


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